そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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形と絵。わたしの決め方。

まず始めに、形の入手方法は色々あります。

轆轤師に新規でお願いする

轆轤師のオリジナル

・窯場にあるものを見本として、高さや口径などを変えて作ってもらう

・自分で作る(手びねりなど)

 

型物やタタラ物を省いていますが、私自身普段あまり利用しないので省かせていただきました。

知識が薄いなりにお伝えすると、型物を新規オリジナルで作ってもらうと、かなりの時間とお金がかかります。量産が出来るようなしっかりとした型を作るので、型代がもの凄い高いと聞いています。

タタラ物は、専門で作る職人さんがほぼいないのですが、頼むとしたら轆轤師にお願いするくらいの金額が必要だったと記憶しています。(タタラとは、シート状になった粘土のこと。好きな形に切って貼り合わせて成形します。)

 

私が形を轆轤師にお願いする場合、焼き上がりのサイズで綺麗に図案起こししたものを渡しています。

高さ、幅、奥行をセンチ表記で作っています。

 

この時点では、絵付のことは考えていません。

形の良さだけに重点を置いています。

 

わたしは素焼に絵付する人なので、素焼が手元に届いたらまずは見えるところに置いておきます。

ここが重要で。

今は他のことをやっていてもいつか取り掛かる日が必ず来るので、来たるその日の為に、近くに置いて妄想し始めておくのです。

ふとした時に眺めて、うん…。いや?…うん。うーん?…。と、頭の片隅で。

すると、ほんのりと道筋が見えてきて。焼き上がりが想像出来たら、そこに向かって一直線に突き進みます。

ただ、迷う事もたくさんあります。

最初から最後まで思いを貫くこともあれば、その時の自分の気持ち次第で軌道修正して変えることもあります。

作品制作の勉強会などで先生方にご助言いただくときには、やりたい事が伝えやすいよう水彩で色を付けた実寸サイズの図案を持参することもあるのですが、そういった場合は大体図案通りで、あまり突拍子も無い変化を選択することはありません。

それ以外の日常の絵付に関しては、実際に素地に描き込んでみたり、紙に小さく描いて確かめてみたりと色々です。

そして、いざ描こう!となった時に、先に妄想していたものが、期間をあけたことによって「なんか違う。しっくりこない。」と思うことがあります。

その時は違和感にちゃんと向き合って、どうしたら心地良いのかを再び考えます。

下絵付が終わり本焼後、色絵を施す時にも同じ壁が立ちはだかります。

完成品の全体バランスを整えたい気持ちが強いので、当初思い描いていたものとは違う着地点に行くこともよくあります。

 

また、たとえば同じ形が幾つかあって、更に図案の候補が幾つかあると、どれがそれぞれどんな風になるのかの結果が知りたくなります。

そんな時は、我慢せず一つ一つ消化しようと動きます。

Instagramでの投稿写真でも、同じ形で絵付違いが出てくるのはこう言った事情です。

 

自分の中にある蓄積した技術や構図、感覚に頼って基本的に作っています。

なので、新しいことをやろうとすると不安です。

色違いでの絵付や、釉薬の違いなどは特に不安はないのですが、熟練が必要と思われる新しいことはとても難しいです。

何が正解なのかを自分で判断するための材料が、初めての時は少ないからだと思います。

上手く出来る未来が見えづらいのだと思います。

 

形と絵。

どうしてもこの絵が描きたい!!という思いが強い時以外は、 形が無いとそもそも絵が描けないこともあり、絵付は形を見て決めることが多いです。

そして、公募展作品なのか個展作品なのか企画展作品なのかなどによって、何かしらのイメージやテーマに沿って準備しています。

 

基本的な焼物絵付のセオリーに忠実にいくこともあれば、それをあえて崩しにいくこともあります。

とにかく全てに言えるのは、わたしの決め方は完成形がいかに素敵になるのかを重点に置いています。正面向きはもちろんのこと、どの角度から見ても美しくあれるように意識しています。

描きにくいような場所の絵付も採用してしまうのはこういった理由です。

さすがに歳を重ねて昔ほど無茶することは減りましたが、手間をかける価値があると判断すれば頑張って描いています。