そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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あーあ間抜けだなぁ

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白いところがカッターで削ったところです。

空いている部分に小紋を埋めたくて。

図案決定当初の予定していたものを変化させたちょっと動きのあるグルグルにしようと思っていましたが、描いてくうちに何となく違和感を感じてしまって。やっぱりやり直しをしようと思い、埋めていた呉須線を無くすためにそっと削っています。

 

ぼーっとしていて判断が遅く沢山削る羽目に…

仕方ないやつです。

削ったあとはものすごく描きづらいし濃さも変わっちゃうので、あまり失敗しても削ることは選ばないわたしですが、今回ばかりはだめです。許せません。削って元の小紋で再度埋め尽くそうと思います。

 

グルグルしている小紋、これは雲を表しています。調べると、

「雲は消えては生まれ、その形や色を様々に変えることから 事が起こるきっかけ、兆しを伝えるもの。輪廻転生の意味。」

と書いてありました。

このような意味から古くからおめでたい文様として使われてきたとのことです。

 

あと、写真の図案のなかにあるお花らしきもの、それは梅です。梅にも意味があります。

「厳しい寒さの中、いち早く花を咲かせ、実をたくさん付ける梅。 梅文様は、忍耐力や生命力、子孫繁栄の象徴とされ、吉祥文様とされている。」

新春を祝うイメージもありますが、通年OKな文様のようです。

 

古典柄が大好きなわたしとしては、意味もちゃんと伝えれるようにならなきゃなぁと思いながら制作しています。

意味を知ると誰かに教えたくなったり、意味を持たせた場面でお皿を使ったりできるのかなと思うと楽しいじゃないですか。

今回の図案は梅と雲。だから、二つ合わせた意味としては生命力かなぁ?力強い生命力のある梅と、消えて無くなってまた生まれての雲の生命力。雲に至ってはただのイメージになっちゃってるけど。

けど、そんな意味づけにしたら描いてる時も楽しい…。幸せを感じながら絵付が出来ます。

わたし、命とか永遠に続くもの系の文様がめちゃくちゃ好きで。なぜって、

『ずっとこのまま幸せを祈ってる』

という意味なのではないか?!と勝手に受け取ってて笑。一番最強だなと思っています!

 

波とか唐草とかがそうなんじゃないかなぁと思っています。

だから唐草よく使っちゃうの。笑

 

ほんとはこのお皿にはもう一つ意味があるのですが、わたしの個人的なこだわりポイントなので完成品をご覧になったお客様に直接お伝えできたらいいなと思います。

 

 

長くなっちゃった。

は〜削るのがんばろ。

 

それでは、またー〜