そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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緊急でした。緊急…。

おはようございます、シタエッティです。

 

前記事の陶芸材料では無い”ゼライス”ですが、一体何に使ったのかについて詳しくお話をしようと思います。

 

それでは、どうぞ。

 

 

 

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ゼライス

本来あんな所に居るべき物では無い、何ともシュールで不思議な光景でした。

 

何故あの様なことになったのかと言うと、

上絵付けをする際に必要な材料を切らしていることを、作業するギリギリになって気づいた為です。

買いに行く暇もないほど、今回は緊急だったので、苦肉の策で食用ゼラチンをある物の代わりに使用しました。

ある物とは、膠(にかわ)です。

上絵する上で、膠は重要な必須アイテムです。

つるっとした本焼き生地に絵付けし易くする為、(膠をお湯で溶かした)膠液というものを作り生地を拭きあげます。
下準備された生地は、少しの摩擦力がかかり、細くパキッとした線が引けます。

 

私にとって、絵付けといえば専ら下絵付けの為、上絵をするのは久しぶりでした。
必須アイテムな癖に、使い切った事すら覚えていないくらい、私には遠い存在の材料のようです、、(下絵付けでは膠は一切使いません。)

 

 

 

 

はじめは、仕方ないので熱いお湯で拭き上げていましたが、線がはっきり載らず滲む滲む…。

 

夜な夜な作業していたものは、気を張る図案では無かったのでこれで済ませましたが、次の日の朝、もうこのままではどうしようもなく…。

 

考えた挙句、

家にあった、あの食用ゼラチンで代用することにしたのです。

 

 

 

 

 

まぁ、膠もゼラチンと言うことですし、成分は似ているはずと(無いよりマシかと)思い、使ってみました。

 

結果は、

使い心地は普段と変わらず、問題無くいけました。

 

 

でも、材料があるか無いかの確認もせず、急ぎで仕上げたいが為の強行作戦でした。

使えそうだと分かってはいても、実際に手を出してしまったのは私の間抜けさによるものです。

 

 

不特定多数の人、ましてや業界の人も読むかもしれないブログに大胆発言してしまった気もしています。

中には私みたいに使っちゃった(使ってる)パターンもあるかもしれませんが。

どうなんでしょう。

 

きっと焼き上がりも、なんの影響も無く無事あがるはずなので心配はしていませんが、

今度からちゃんと確認して材料をきちんと揃えておこうと思います。

 

 

一応プロですからね。。

あー恥ずかしい。

 

 

 

それでは、また。