そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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色々振り返ります。

こんばんは、シタエッティです。

今日は、先日の21美で当番をしていた時のお話をしようと思います。

思い出しながら書いていくつもりなのですが、始めに言っておくと、それ程飛び抜けてネタがある訳ではありません。(^^;;

しかし、自分の記録として残しておいても良いかなと思い、振り絞りながら書いていこうと思っています。

 

それでは、どうぞ。。。

 

 

 

 

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先日搬出を終えたばかりの、北陸創造展ですが、私が当番をしたのは会期の後半の金曜日でした。

私達の展示会場は地下の市民ギャラリーということもあり、そこまで降りてくる人はあまり多くありませんでした。

地下駐車場と繋がっている場所で、ロープが無い油圧式のちょっと変わったお洒落なエレベーターが目を引いています。

そんな吹き抜けの空間を眺めながら、降りてくる光を感じながら、今年も受付に座っていました。

同じく当番で来ていた日本画をされている女性と、芳名帳の記入をお願いしたり、パンフレットを渡したりしていました。時間毎の入場者数のチェックも怠らないように、片手にカウンターも持っていました。

受付に座っていると、否応なしにも人間観察してしまうものですね。

最近では、海外の方も段々と増えていますが、さすがにお国までは分かりません。アジア系の方とは分かっても、中国なのか韓国なのか、はたまた全く違う国なのか…日本人の雰囲気とはやっぱり違うなというのは感じ取れるのですが、それがどこがどう違うとなると全くお手上げです。

 

思い出しましたが、去年ちょっと面白い事がありました。

ズワイガニが画面いっぱいに描かれた絵があって、何故かその前でピースをし写真を撮る人が多くいらっしゃいました。(写真を撮ることは禁止されていません。)

それは、赤い蟹に惹かれた中国の方だったようです。蟹はどうかは分かりませんが、赤や金が大好きだと聞いたことがありますので、本当なんだなぁと思ったものです。しかも、絵だけでなくて自分も一緒に写り込むところに、文化の違いを感じ、面白いなぁと思いました。

 

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毎年のことですが、受付にいると必ずと言っていい程聞かれることがあります。

それは、「プールはどこにありますか?」という質問です。

必ず聞かれるので、21美のパンフレットを出しては説明しています。プールの下に行くにはチケットを購入しなくてはいけないこと、外から眺めるだけなら無料なこと、等々。

21美スタッフでは無いのですが、美術館に来た方にとっては、誰でも関係無くて、座ってる人なら頼りたくなる存在なのだろうと思いますし、分かることであれば何でも対応したいと思っています。

ですから、「トイレは何処ですか?」「駐車券割引の機械はありますか?」ぐらいのレベルはお茶の子さいさいです。

展示されているもので、「どういった技法なのか」「寸法を教えて欲しい」という問いには専門性が入って来るので応え辛いですが、なかなかそういった質問は来ず…、今のところ一度しかありません。

その一度も、日本画のサイズのことでしたので、学生時代に専攻していたと言えども、上手に詳しくお答えすることは出来ませんでした。

でも、こういったやり取りをしていると、しっかり見てくださっているんだなぁと思い、嬉しくなります。自分の作品のことでは無くても、嬉しいのです。

 

人に想いが伝わっていく、

些細なことでも心を動かすことが出来たなら、

 

 

それだけできっと、制作者は満足なのだと思います。素直に嬉しいのだと思います。

 

日本画がどうだ、洋画がどうだ、陶芸がどうだ、色々あるのかもしれませんが、

細かい事を抜きにすると、シンプルなんですよね。

 

 

一からクリエイト(創造)することは皆同じ。

 

考え悩みながら、

(もちろん楽しみながら)制作した作品を、

 

見た人に何かを感じてもらうだけで

もうそれだけで、

 

 

幸せなことなんじゃないかと思うのです。

 

 

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当番の話から、またも脱線した話になってしてしまいました。

書いていくうちに考えが出てきて、そのまま思いを書いてしまう私はやっぱりまとめ下手ですね。

でも、それがわたしですから。

 

わたしはわたしのまま居ようと思います。

 

 

長くなりましたね。

それでは、また。