そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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つづき。2

こんにちは、シタエッティです。

講演会で仕入れた話がまだ終わらず、(自分の中でどうしても書いておきたい未消化なところがあるので、)しつこいとは思いますが、今日もお話させて下さい。

 

有田焼の仕組みと伝統工芸士のお話になります。

それでは、どうぞ。

 

 

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九谷焼には、分業制と呼ばれるように工程を職人が分けて仕事する仕組みがあることは、こちらでお話をしたことがある為、ご存知な方もいらっしゃるかと思います。

その分業制が有田焼でも行われているということを、今回のことがあって初めて知り、驚きました。そして、名前は同じでも、内容が両者全く違うものを指していることを知り、これまた面白くて驚きました。

 

九谷焼では、生地屋さん(この言い方が、もう既に存在しないらしいです。)がいて生地を買い、絵付師が自分の工房で描いて仕上げることが、普通に行われています。

しかし、有田焼の分業制と言うのは、メーカー(窯元)の中での分業なだけであり、全て自社で行われているようなのです。

もちろん、九谷焼でも自社で完結する窯元はあるにはありますが、数は少ないです。雇われている従業員数も、比べ物にならないレベルかと思います。

有田焼では、一貫性のある生産をしているのです。

その工房のスペシャリスト達が、自分たちの技術を持って一つのものを仕上げていく世界なのです。すごく、きっと効率が良いのだと思います。

彼らにとって、産地としての九谷の在り方は違和感でしか無かったようです。でも、そこが九谷らしさで、独特のものが生まれてくるのだと今は理解しているとおっしゃっていました。

内側にいる当事者達が、本来なら気付いて発信まで繋げて行かなければならない立場なのに、外から見ないと分からない魅力だったなんて…と一人密かに思い、恥ずかしくなりました。

 

 

また、組合の話もありました。

最近、「組合って何?」「入って何か意味があるの?」ということを言う、若い人がいると言います。

昔は組合が無ければ仕事が出来なかったようですが、今は所属していなくとも仕事は出来ます。

私もよく分からず、ただの下心で最近入りました。

 

講師の方がおっしゃっるには、組合が無ければ有田焼は成り立たないし、衰退する。のだそうです。自身が副理事に就任する際、若い人に組合の大切さを伝えるために、どうしてこういう団体が生まれたのかを色々勉強したと言います。組合の本質を理解し、伝えていくことで若い加入者を増やしていきたいとおっしゃっていました。

参加してみたいと思わせるような事業の展開を提示し、結果を残すことで次が繋がると思っている、とおっしゃっていました。

 

 

最後は伝統工芸士のお話になります。

私が今一番、興味深いところであります。

 

まず、有田焼の伝統工芸士は現在90名いるようです。そして大半は、窯元に所属しているようです。比率として、男性69%女性31%で、年齢別の項目もありましたが口頭での発表だった為に、メモをしているうちに聞き逃してしまい、詳しく分かりませんでしたが、おそらく若い世代は少ないと思います。

何故なら、有田焼で伝統工芸士の資格を取得することは、難易度が高い試験をクリアしなければならないと知った為です。

有田でこの資格を持っていることはステイタスであり、一部の窯元では、雇用状況が優遇されているとおっしゃっていました。

しかし、その一方、資格を有しているのにも関わらず、全く関係ない内容の仕事をさせられているパターンもあるようです。それぞれの窯元で雇用形態や、給料、規則があり、バラバラだと言います。厳しい所では、自社で勤めている間、個人的な作家活動が禁止されているようです。

言い方は良くないかと思いますが、”身動き取れず、生涯職人として生きる。”  方も、産業が大規模であるが故、一部であるのかなと感じました。

資格を取得した者が、今いる窯元を出て独立するよりも、そこで勤め続けることを選ぶのは、それだけ働き口があり、雇用が守られているからなのかもしれません。

 

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ひとまずここで切ります。

 

とにかく、とっ散らかった私の頭の中を出しましたので、大変読みづらかったかと思います。

まだ出せていない情報もありますが、あれもこれもとグチャグチャに錯綜していて、うまく書き出せませんでした。

機会があれば、また残った分を書いていこうと思います。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

ちょっこしヘトヘトです…。

それでは、また。