こんにちは。
下絵付け大好きシタエッティです。
今日は絵付けの技法の違いと見分け方を、私なりにお話しようと思います。
過去記事と重複している所もあるかもしれませんが、焼物のマニアック話がお好きな方は読んで頂けるとうれしいです。
それでは、どうぞ。
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絵付けの種類には上絵付けと下絵付けが主にありますが、何かの「上」と「下」に施すからこう呼ばれています。
何かと言うのは ”釉薬”です。
釉薬(ゆうやく)とは、ガラス化する生地のコーティング剤です。生地を強化し、汚れや水漏れ防止の機能も果たしています。
この、釉薬の上に絵付けをすることを
上絵付けと呼び、反対に
釉薬の下に絵付けをすることを
下絵付けと呼びます。
図にするとこんな感じです。
釉薬の上と下によって違いがあるということは、絵付けする時の生地の状態が違うということになります。
・上絵付けは、本焼(ほんやき)後に行います。
釉掛けをして高温で本焼された、白くツルツルになった生地の上に描きます。その後、低温で絵具だけを焼きつけます。
・下絵付けは、本焼(ほんやき)前に行います。
成形し乾燥後の生地を、低温で素焼(すやき)された、黄土色のザラザラした生地の上に描きます。その後、釉掛けをして本焼をします。
絵具が表面上にのっているのか、はたまた中に入りこんでいるのかが上絵(うわえ)下絵(したえ)の違い、しいては剥げるか剥げないかの違いなのです。
これで、私が前に言っていた話も腑に落ちるかと思います。
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上絵付けは、剝げる可能性がありますが、
下絵付けは、剝げる可能性は皆無です。
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こうなると、見た目ですぐに見分けることができます。
上絵付けは釉薬の上に絵具がのっている状態なので、デコボコしています。
下絵付けは釉薬の下に絵具が挟まれている状態なので、デコボコしていません。
違いが分かると、見分けも簡単につくかと思います。
しかし厳密に言うと、上絵付けの絵具によってはデコボコが感じにくいものがあり混乱するかもしれません。
そしてこれがあるから、見分けをややこしくしているのではないかと思います。
ただ、この話は上絵付けの絵具の話になりますので、改めて次の記事に書いて行こうと思います。
それでは、また。