そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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青絵を知りました。

先日、ある作家さんとお話していたのですが、染付のことを青絵(あおえ)とポロっと言っていました。

 

ポロっと、というニュアンスにしたのは少し自信無さげに言っていた気がしたからです。

 

私自身、知識が無かった為、何も言わなかったのですが、後々よく考えるとそのワードが気になってきて今更ながら調べてみました。

 

すると、

実際に青絵というものは存在するようです。

 

染付の違う言いまわしなのか?そうであったとして、知らなかったとなれば、携わっている立場として恥ずかしいぞ。

とも思って調べてみたのですが、結果としては、

 

全くの別物でした。

 

 

説明文を読んでみると分かりました。

_____________________ 

  あおえ【青絵】

  青を主調とした顔料で上絵付けをした陶磁器。 

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”上絵付け”

と書いてあります。

 

 

うん、やっぱり染付は染付だ。

染付は”下絵付け”です。

 

 

思い出してみると、青絵(あおえ)に似た言葉で赤絵(あかえ) があります。

確かにこちらは”上絵付け”なのです。

 

赤絵は人気で沢山の作家さんがいらっしゃいますが、

 

私が知る限り、九谷焼には青絵を主に作る作家さんはいらっしゃらないと思います。

 

学校でも学びませんでしたし、周りに居ないので知らない技法でした。

 

こんなことがなければ一生知らずに死んでいたかもしれない(言いすぎ?)と思えば、一つ知識として蓄積されるので私としては嬉しい収穫でした。

あの時の作家さん、きっかけを与えてくれてありがとうございました!

 

 

でも、画像をよくよくチェックしてみると完全に染付に見えるものも青絵となっていました。

 

何故に…

かなしすぎる。。。

 

 

青絵というものを知った今、はっきり言えます。

 

染付は青絵ではありません!

 

 

 

混同しないで下さい!(>_<)

 

 

 

 

青絵は赤絵の色違いのような技法です!

 

 

 

 

染付のように、素焼きの生地に描いていませんから、独特の滲みもありません。

 

上絵付けは、剝げる可能性がありますが、

下絵付けは、剝げる可能性は皆無です。

 

下絵付けはどんなにこすって洗っても大丈夫です。

食洗機もへっちゃらです。

 

 

染付の見た目が青いからと言って、安易に

 

青絵

 

と呼ばないで〜〜〜!

 

 

 

 

 

ふぅ。

すっきり。

 

 

あ。どうでもいい人にはどうでもいいはなしでしたが、決して青絵を馬鹿にした訳ではありませんよ。

青絵を描いている方達も、きっと同じ扱いをされて、

 

青絵が青いからって安易に

有名どころの染付って呼ばないで〜〜〜!

 

と内心思っているかもしれませんよね。

 

 

 

 

青絵と染付

似ても似つかぬもの。

 

立場が違えば見方も変わりますね。

でも、どちらも本物です。

 

 

 

よく目を凝らして見てみて下さい。

 

あなたのお手持ちの青い器は

青絵でしょうか、染付でしょうか。