そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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追記と、気づきを少し。

金彩について触れていませんでしたので、追記させて下さい。

 

 

金彩で使っていたのは、本金(ほんきん)と呼ばれる本物の金の粉末でした。これを生地に定着させる為に、フラッキスという、簡単に言うとガラス化する粉末をほんの少し混ぜ、絵具として機能するように、調整してから使用していました。

赤絵具と同様、細かく粒子をすり潰せるようにあまり力任せに擦らず、ゆったりと大きく擦るように教えられました。輝きが失われるため、不純物は極力入れたく無いのですが、筆から降ろしやすく、また、描きやすくする為、ここでもアラビアゴムを少し入れていました。

 

他の作家さんは、フラッキスでは無くアキフと呼ばれる定着剤や、洋絵具(ようえのぐ)を入れたりするようです。実際、私の持っている金にも追加で洋絵具を入れました。

アキフの方は定着力がかなり強く、焼き上げ前に多少何かに触れてしまったとしても問題ありません。こすらなければ、剥げることは無いようです。

こう書くとアキフというのは、魅力的なものに感じるのですが、私はあまり使いたくはありません。なぜ使わないかと言えば、今回ばかりは”陶房と違うやり方だから”という安易な考えではありません。

以前にこちらを使っている赤絵細描の先生が、「うちは、毎日使う分だけ新しく絵具を擦る。」とおっしゃっていたのですが、確かに鮮明で綺麗な色を保つ為もあるのでしょうが、私としては、この材料を入れることで、次の日に乾いた絵具を擦ることに、多大な労力が必要だと感じた為です。

普段使わないものなので、私もよくわかっていないのですが、調べてみると膠(にかわ)に似た性質のようです。元々、粒状になっている為、煮溶かしトロトロにして使います。ゼラチンを想像して頂くと、冷えている時はブルブルしていますよね。絵具においても、1日放置するとこのような状態になり、熱でも加えない限り、滑らかにするのは大変なのです。

 

とは言え、私の扱い方が悪いだけの話かもしれませんが…

 

 

続きを話すと、

金彩を施した後に、低い温度で焼き上げたら、金彩用の研磨ペーパーで軽くこすり完成です。最後に光沢を出していくこの仕事は、楽しい時間の一つです。

 

 

 

 

と、ここまで書いていくと気づいた事がありました。

 

 

 

 

 

 

 

こんなにマニアックな話を

誰が求めているのだろう、と。

 

 

笑。

 

 

 

 

 

専門用語たくさん使ったり

 

自分が持つノウハウをおおっぴろげにして

勝手にプロ気取りになって。

 

 

 

 

もしや、これって…

 

 

 

 

 

 

 

 

ただの

 

 

 

”自己満足”

 

 

 

 

……

 

きゃー!恥ずかしい!

 

 

いや、でもブログ書いてる時点で一方通行だし、自己満足に浸ることは仕方ないのかな…

 

 

そして

もしかしたら

 

私が書く内容で、誰かにとっては響く答えがあるかもしれないと仮定すれば、

 

まずは自分が自信を持ち

 

 

 

 

 

満足することは大切。

 

 

 

 

どうやら私は自己満足したいようなので、こういったマニアックな話も時折させて下さい。

 

 

 

私がわたしを満たし続けることで

 

あなたにとって有益な情報を発信出来たなら

 

 

 

 

 

 

なんと嬉しい副産物なことか!

 

 

 

 

ということはですよ。やっぱり案外…

 

 

自己満足に浸って生きるのも、ありなのかもしれないですね。