型紙は消耗品の為、何度も使っていると摩耗してボロボロになります。墨を打ち、生地に沿わせて当てがいながら擦り付ける為、当然のことでもあります。
陶房で働いていた頃は、それこそ日々色んな型紙が登場してきました。破れていたり、それをセロテープでしのいでいたりする、年季が入ったものも多々ありました。
もう駄目か、使えないか、っというギリギリラインまで来れば、ようやく型紙を新しく作り直していました。
どう作り直すかと言うと、師匠が素焼生地に描いたものを見本として、そのまま竹紙(ちくし)を当て、鉛筆で丁寧になぞっていました。
竹紙には裏表があるので、表面がツルツルの方に鉛筆の線がくるようになぞります。(最後には擦るので、表はツルツルで無ければなりません。トレーシングペーパーも同様かと思います。)
そして、紙を裏に返して、前回お話しした通りの作り方で作ったカイロ灰の墨液を筆に含ませ、鉛筆の線をなぞっていきます。この時、下に白い紙を敷いていると薄い鉛筆の線がくっきりと見え作業しやすいそうです。また、墨は筆を立てないと粒子が降りてこないので、立てながら慎重になぞります。(ツーっと盛る感覚が近いと思います。)
全て終わると、乾くまで少し待ち、第一弾目の型紙打ちが出来ます。
初回は、重要で、盛った墨が剥がれやすいことと濃い為、ズラさぬよう優しく当て優しく擦ります。二回目以降も徐々に強く擦るようにします。
せっかく墨打ちした型紙ですから、短命にならぬよう何度も使用します。
段々と薄くなって来たら、摩擦熱が起こるくらいの速さで擦ると綺麗に墨が載ります。
そして、限界が来れば、また裏に返して墨打ちをし、優しく擦るところから繰り返すのです。
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私が、個人的に型紙を製作する際によく利用するのは、コピー機です。
機械と数字に弱い私は、毎回のようにコンビニのコピー機の前で格闘しています。自分で描いた図案が、生地の大きさに合っていない場合、しっくりくるように倍率を変えることをしなくてはいけないからです。
1割大きくしたり、2割小さくしたり、様々です。
また、既にある型紙を倍率を変えて使うこともあります。その場合は、型紙を白い紙を土台にしてコピーします。白黒コピーですので、線がはっきり見やすいように少し濃い目になるよう調整もしながらしています。
コピーがとれたら、これに竹紙を当て鉛筆でなぞる等、この先は同じように型紙を作っていきます。
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私は現在、量をこなしていない為、自分で作った型紙はまだ綺麗なままですが、陶房に居た頃は、人気の図案は何度も使う為ボロボロでした。
それでも、しっかりとしたものが描き上げられていくのですから、初めて見る方はきっと驚かれると思います。すごいですよ。
本当に、
あたりはあたりなんだなぁと思います。
ちょっとした目安があるだけでサッサッと描いていく師匠や先輩達を常日頃見ていた私。
今、同じように描けているのだろうか。。
なんてことを思ってはいないまま(コラ)、自分の気持ちのおもむくまま自由に、好きに描いています。笑
型紙の話はこれでおしまいです。
今回の話の内容は、マニアックに専門的なところを攻めたつもりですので、文字だけでは伝わりにくかったかもしれません。すみません。
しかし、なかなか濃ゆい記事になったのではないかと我ながら思っています。
型紙だけに〜〜。
すみません……笑
満足です。
それでは、また。