そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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ダミについて少し

私が普段している、ダミのやり方をお話していこうと思います。

これは最後の仕上げなので、ある程度線描きの作品が溜まったらまとめてしています。その方が、濃度を一定に保てる気がするからです。

 

私のダミ液は瓶入りです。(粉末呉須を調合し、よく煮出したお茶を入れてガラス板でよく擦ったものを、瓶に詰め替えています。)f:id:shitaetty:20170816092056j:image

 

瓶から茶碗に出して、使います。

f:id:shitaetty:20170816092156j:imageこれは濃ダミです。

きっと本当は濃ダミ、中ダミ、薄ダミの三つ用意すると良いのでしょうが、私は濃ダミだけ先に作って、後は徐々に液を薄めて中ダミ、薄ダミと二つに分けて仕上げていきます。

濃ダミの茶碗から少し液を取り(むしろ筆に含んでいるものだけで充分な場合もありますが)、新しい茶碗によく煮出したお茶をドボドボ入れます。薄ダミの完成です。

そしたら、次に濃ダミ茶碗を少しずつ薄め、中ダミを作ります。

 

あ、もちろん濃ダミの仕事が終わってから液を薄めていきます。

もし、やり残しを見つけたら、中ダミで二、三度染み込ませて対応します。

 

瓶から出す時もそうなのですが、液が沈殿しやすいので、ダミ筆でよく混ぜて使います。

 

 

好き好みもありますが、染付は濃淡がはっきりしている方が良いと言われています。

ぼやっと薄いところがあって、でも濃いところはしっかりと濃く…という風に、メリハリが大切のようです。

 

 

作業が終わると、ダミ液は元の瓶に戻し入れます。

すごくマニアックなのですが、次回使う時、日を長く空けるとちょっと面倒な場面に遭遇します。液の中に謎のイカの黒作りのようなぐでんぐでんの物体がある場合があるのです。お茶の成分が腐って出来ると聞いたことがあります。今回も入っていましたが、これは筆に絡みついて邪魔なので私は取り除いてから使っています。

 

***

陶房に居た頃や、独立し自分なりにやっていく中で、私のやり方が確立していったように思います。

まだまだ半人前ですが、染付は”濃淡が命!”ですから、出来るなら極めたいなぁと思います。

出来るなら。ね…笑

だってすご〜く難しいんですよ(ToT)

 

頑張りまーす。

 

 

 

それでは、また。