そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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失敗からの脱却

表が仕上がって、裏のロクロ線を引いていたところ、線がよれて失敗してしまいました。

 

少しだけ悩んで、

やっぱりやり直すことに決めました。

 

過去記事にもまとめていますが、染付の場合、やり直すことは覚悟の上で行わなければなりません。

何故かと言うと、吸水率が変わる為、濃さに影響を及ぼしてしまうからです。

それでも、

私がやり直す選択をしたのは、この状況よりも良く(マシに)なる自信があったからです。反対に自信が無ければ、これ以上は無理と判断し、下手に触らないですし、その方が確実です。

この判断も陶房で培ったのだと思います。

 

さてさて、それでは削ります。

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カッターで丁寧に直す部分だけを削ります。

紙やすりを使うとより滑らかに出来ますが、今回は別のロクロ線も擦ってしまいそうなくらい近いので、カッターのみにしました。

 

少しだけ水を垂らしたら、ロクロ台に乗せて、、

右手でロクロをまわし、左手中指で高台をトントン。

f:id:shitaetty:20170809205456j:image軽いので、優しく軽く…。

爪の方が軽く当たります。手まわしロクロを回転させた状態で中心を合わせます。

既に引いたロクロ線と円形がずれてしまわないように、中心を見つけることは大切です。

 

台に乗せただけで合う時や、一発で合えばよっしゃーもんです。一瞬ニヤッとして、今日は何か良いことありそうなんて思ってしまいます。

が、三発程で合えば仕事する上では合格だそうです。

 

中心が合いましたので、引き直します。

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外側にも一本足しました。

 

 

 

高台が寂しいので、小紋を埋めて、

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出来上がり。

 

 

以上、

失敗からの立ち直りをお伝えいたしました。