そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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季節は梅雨ですが、たまに光も差しています。

ようやく気持ちの整理がついて来たので、今日こそ、先日あったことをお話しようと思います。

 

金沢のとあるギャラリーさんに出向いてお話してきて、私が感じたり気付いた内容になります。

お付き合い下さる方は、このままどうぞ。

 

 

 


実はそのギャラリーでは9月に展示をさせて頂く予定なのですが、「来春から初夏に向けての企画展をしたいから、一度直接話をしてみたい」とオーナーさんが、私と連絡を取りたがっているという話を人づてに聞きました。内心、驚きと嬉しさで舞い上がっているなか、こちらから連絡し直し、ようやく会いに行って来ました。

近々の作品を持って来て欲しいと言われていて、数点持参して行きました。

事前にメールでやり取りしていたのですが、見に来て下さるお客様の嗜好に合わなければ参加出来ないということでしたので、ドキドキしていました。

 

結果は、
オッケーでした。


今作っているようなものにちょっとメリハリを加えるだけで良いから、一緒にやってみようよ!とおっしゃって下さいました。

 

聞いていて、自分とは違う趣味だと正直思いましたが、おっしゃっていることは分かりました。

 

華やかで上品で、大人カワイイもの。

目を惹くもの。

 

を、求められています。

 

 


今度のお勉強会(金沢からお正月)用の図案も持参して行ったのですが、頂いたアドバイスはとても参考になりました。

 

また、

頭がガチガチだったとも思わされました。

 

 

 

その時に、オーナーさんがおっしゃっていたものをメモしていたので書いていくと、

_____________________

まず、二つのラインを持っているのが強い。

・定番ライン

・アートライン

 

でもゆくゆくは、アートライン一本で行けると良い。

 

日本画出身だからこそ出来る、やり方があるはずだ。

陶芸だけをやってきた人とは違うやり方。

 

最近では余白は要らないし、

そもそも余白の考え方が古い。

 

_____________________

私はいつの間にか”陶芸脳”になっていたようなのです。頭がガチガチだったのは、周りにいる人から勝手に私が受け取り、固定概念を作り上げてしまった為。

 

オーナーさんは、こうもおっしゃっていました。

「焼物の絵を描くんじゃなくて、焼物がただのキャンバスだと思って描いてみて欲しい。」

 

どこかで分かっていたことを言われた気がしました。

陶芸の道に入った頃を思い出しました。

 

何故、焼物の絵は絵と違うんだろう…

でもきっとこれが正解なのだろう。

早くわたしも慣れて行こう。

 

 

違和感を感じていたのなら、違和感を感じないようにすればいい話だったのです。

 

でも、時すでに遅し。

私はかなり陶芸脳に染まっています。

 

ちょっとづつ思い出すことから始めないと。

 

出来るかな?

不安です。

 

 

やりたいかやりたくないかで言うと、

やりたい!とは胸張って言えないけど、

 

どう変化するか気になるから、試してみたい。

 

うん、試してみたい。

 

 

写実画が好きな私は、このやり方って実は向いている?

 

とにかく一度試してみようと思います。

 

***

今回の事をまとめると、

否定された訳では全く無いのに、心の元気が無くなって困惑していました。

 

大人カワイイという件も、洋服や雑貨だと良く分かるし、私も好きだし求めているのに、、なぜか陶芸の事になると、切り離して真面目に考えてしまうのです。

でも、それはきっと私が、古臭さに新鮮味を感じているからだと思います。そして、私の中にあまのじゃくの一面もある為、今更誰も手を出さないような所を狙っているのかも知れません。

 

ちょっと手を加えたり、遊び心をプラスしたりするだけの話なのですが、

「私には性に合わない。」と、決めつけている自分もいます。

 

 

もうちょっと難しく考えず、

流れに身を任せても良いのかもしれないですね。

 

ぷかぷか浮いていることで、

新たな自分に、

もしもうっかりとでも出会えたりしたら…

 

いいのになぁ…。

 

***

季節は梅雨で、じとじと雨が降る日が多いですが、外は少し陽が差して来ました。

この間のケガもだんだん良くなって来ています。

 

今年に入って、新しいことに出会うことが多いです。

ちょっと追いつけない部分もありますが、きっと今のわたしに必要なのでしょうし、乗り越えられると信じます。

 

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

それでは、また。