そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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とにかく形を。

昨日は、最近タタラで成形していた鳥を、ご指導頂いた先生に見せに行きました。

緊張しながら作ってきたものを一つづつ出していくと、先生は「はぁーん…、へぇ〜〜…」と口から気持ちが漏れていました。

格好つけずありのままの自分を見てもらいたかった為、制作した10点全て持ち込みました。

 

結果として、一点だけ認められました。

 

 

ホッとしました。

 

 

そして、

やっぱりすごい先生だと思いました。

 

その選ばれた一点は、私が一番自信が無かったものだったのですが、一番内側の自分から勝手に湧き出てきたものでもありました。

「こんな形をした鳥なんて見たこと無いし、常識的では無いから絶対変だって思われそう…。」

と、ものすごく恥ずかしくて、
見せるのが怖かったのです。でも、

「他9点あるから紛れてきっと見つからない、大丈夫だ。」

とも思っていました。

 

でも、バレました。

見抜かれました。

 

他の形には目もくれず、ただひたすら私が一番恥ずかしいと思っている鳥に注目していました。

とにかく先生は、形にこだわりがあるようでした。だから、ありきたりな形には響かなかったようです。

 

どこかでわたしの中に、

「こんな感じが良いんでしょ?」

「こんな感じならそれらしいし。」

 

という、卑しい気持ちがあったのだと思います。

 

恥ずかしい。

今となってはこちらの方が俄然、恥ずかしい。。

 

 

先生には、自分の内側の部分を認めてもらえた気がして嬉しく、さらなるアドバイスを頂いて帰る頃には、その一点が誇らしくなっていました。

 

私が意外と、”言われたことは素直に聞き入れる性分”であることを言うと、責任重大だなぁと笑っていらっしゃいました。

何でも鋭く見抜く先生なので、私も何も言わず合わせて笑っておきました(^^)

 

 

最後、

帰りにメモしたノートを忘れる、間抜けなしくじりをしてしまったことは、ここだけの秘密にしておきましょう。

 

また、新しく制作に励みます!

それでは、また。