そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

a line

主に上絵付けの追記です。

こんにちは、シタエッティです。

 

一つ記事が飛んでしまいましたが、追加内容を書いて行こうと思います。

 

絵付けの技法の話で、上絵付け下絵付けの違いと見分け方を記していましたが、もう少し突っ込んで詳しくお話した方が、より深く理解出来るかと思いましたので追記させて下さい。

 

でも、難しい成分のことには触れるつもりはありません。

 

私なりの視点からのお話になりますので、ゆるゆると読み進めて頂けると良いかと思います。

 

それでは、どうぞ。

 

 

 

 

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

前回の話に沿って焼物を見ていくと、上絵付けの中には、デコボコがあまり見受けられず「これは本当に上絵だろうか?」と分からない時があるかもしれません。

 

量産品の判子ものや印刷ものは、特に表面がフラットな為に分かりづらい事があります。 

 

しかし、指先でなぞってみると微かに絵具の感触を感じることができます。

 

見た目で分からなくとも、触ってみて少しでも感触があるならば上絵付けで間違いありません。

 

 

そもそも上絵付けには、盛り上がりが少ない洋絵具(ようえのぐ)と盛り上がりがある和絵具(わえのぐ)が存在します。

 

洋絵具は描きあげてすぐの色(絵具が乾く前)が焼き上がりの色とほぼ同じで、濃淡を出すのも容易いです。絵具の色も市販品だけでも多くの種類があります。元々が海外で生まれた絵具の為、世界で広く使われています。

先日お話した青絵、赤絵の絵具はこの部類になります。透明度が無く盛り上がる仕上がりにはなりません。

 

一方、和絵具はガラス化する材料が入っている為、もったりとした絵具に仕上がります。色も焼く前だと何色かよく分からない状態な上に、洋絵具に比べると濃淡をつけるのは、それなりの技術がいる為厄介です。それでも透明度が高く存在感のあるものですので、九谷業界では人気で、多くの作家が自分の色を持っています。

昔ながらの古九谷のような濃い色味や、近年の淡い柔らかな優しい色味は、それぞれの調合で作り上げたものです。 

 

 

 

 

また、

気づかぬ所で、絵具というものは常に現代の暮らしに合わせて進化し続けています。

_____________________

この辺りはあまり詳しくは無いので、今日すぐにお話するとなると知識があやふやで難しいのですが、今度また自分なりにまとめられたらお話させて下さい。

_____________________

 

 

 

色絵(いろえ)とも呼ばれる上絵付け。

 

 

 

その名も通り、これらの洋絵具や和絵具を駆使した様々な色で絵が仕上げられていきます。

 

上絵付けのこだわりの色を求めていくことを放棄した私にとっては、実のところ

 

全てが尊敬です。

 

 

 

きっと私、

あなたと考えていることは同じじゃないかと思います。

 

 

すごいなぁと思います。

ただ、シンプルに。

 

 

ですから、

多種多様に富む華やかな色絵は

 

今日も誰一人とこぼさず、私達の目を楽しませてくれるのです。