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そして線を大切に。

九谷焼絵付師です。主に下絵付けを中心に制作しています。上品で味わい深い下絵の世界を目指して…

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陶房に居た頃に学んだことを、まとめます。

こんにちは、シタエッティです。

 

 

「まとめます。」と断言したものの、当時を思い出しながらになるので、上手く書けるか自信はありませんが、記述していこうと思います。

 

 

それでは、どうぞ。

 

 

 

 

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私が、まず入って真っ先に教わったのは、その陶房独特の、仕事に向かう時の体の構え方でした。

どういった構えかというと、あぐらをかいて、硬めの枕(できればソバ殻が入ったもの)を持ち、猫背になるというものでした。枕は、左手に持った生地を乗せて固定する、自分だけの作業台として使います。想像出来ますでしょうか。体を丸くして脇を締めていくと、猫背のようになるのですが、この体勢は、生地と筆と目線の距離が近くなる為、描きやすく、効率が良いのだと教わりました。

 

次に学んだのは、筆の持ち方です。

これは鉛筆の持ち方と似ていて、指三本で立てるように持ちます。鉛筆よりも細いので、初めはぎこちなかったのですが、慣れると楽に持てるようになりました。

 

そして、筆に呉須を含ませる時は必ず横に倒します。出来るだけ筆にダメージを与えないように優しく、それでいて筆先を整えるように、少し回転させながら含ませます。消耗品ではありますが、丁寧に扱うことで、たくさん描くことが出来るのだと学びました。

 

ここまで来て、いよいよ描いていけるわけですが、筆に呉須を含ませたらもう悩んでいる暇はありません。筆が乾かない内に、どんどん描いていかなければなりません。なぜなら、どうしようかと悩んでいる間に、折角のベストな状態をキープ出来ず、すぐにかすれる上、濃度がズレて濃くなってしまうからです。

 

染付の線描きは、均一な濃さを目指しています。

 

それゆえ、呉須の濃度は慎重に見極めなければならないのです。(ただし、描くスピードによっても濃度はズレます…。これはまた別の機会にお話します。) 

 

生地は、当然、平面ではなく立体なので、その凸凹を感じながら描くように教わりました。

が、それを体で覚えるまでは、なかなか難しいのです。手が慣れないのもありますが、縁の枠線を引くだけの単純な仕事なのに、上手くいかず、太くなったり細くなったりしてしまうのです。もっとひどいのは、ビビってしまうことによって生まれる、ヨレヨレ線です。自信が無くても、「私は出来る!」と暗示をかけて、度胸をつけて描くべきなのです。

それには、有効な手段があるのですが、描く道すじを目で見定めてから筆入れすることで、大体の場合、回避出来ます。師匠には、始まりの点と終わりの点を繋ぐように意識しなさいと教わりました。

 

湯呑みなどでは、上から下まで縦に直線を引く事がありました。やってみないと分からないことなのですが、ぴっちり90度を保ったまま線を引くことがいかに難しいことか。生地の湾曲が、そうさせている要因ではないかと思うのですが、線を上から下まで繋ぐように意識しても、目の焦点を合わせにくいのです。なので、この場合は、筆を持つ手を動かすよりも、左手の生地に動いてもらうと、案外上手くいきます。

 

線を引くという動作は、右手も左手も動かしますので、意外と頭の体操になるかもしれませんね。

 

 

このまま続ければ、おばあちゃんになっても呆け防止で良いかも…。

 

って、アホなのか真面目なのか、思ったことすぐに書いてしまう私なので話が逸れましたが、まだ呉須などの絵具について詳しくまとめたいので、次回に持ち越しさせて下さい。

 

 

それでは、また明日お会いしましょう。

(^^)/~~~